最近のダイエットといえば、
「高たんぱく質、低糖質(炭水化物)」
が主流です。
糖質の多い野菜や根菜類、果物さえダメ、というやりかたもあります。
ここまで徹底すると、体水分も抜けやすいため、体重は一気に減ります。
たしかに、期間を決めてこういった食事法を集中してやってみるのもありでしょう。
炭水化物、糖質、糖分にかたよっている人は、食事のバランスのくずれをとりもどす意味でも有効かと思います。
と同時にこの食事法は、
「ハイリスク、ハイリターン」
でもあります。
糖質、糖分、炭水化物を極端にカットすることで、それだけ反動(やたらと糖分や糖質を欲してコントロールできなくなる)が出る可能性も高くなるから。
ただ、今回のお話はそういうことではありません。
高タンパク質、低炭水化物の食生活を、
「やらない方がいい」
人もいます。
それはどんな人か?
便秘症の方です。
特に3日~一週間もの便秘がある方は、高タンパク食は危険ですらあります。
炭水化物は、腸内細菌、とくに善玉菌のえさになります(腸などの環境にもよりますが)。
タンパク質、とくに動物性のタンパク質は、腸内に一定時間以上滞ると、腐敗に近い状態になります。
体温前後くらいの温度の場所に数日、肉や魚を放置しておくとどうなるでしょう?
しかも細菌がたくさんいる場所に。
それと同じようなことがおなかの中でおこっているのです。
実際、当サロンには、おなかに脂肪というより、ぱんぱんにおなか(腸)が張っている方がかなり来院されます。
おそらく、腸の中で腐敗や発酵がおこり、ガスが発生していると思われます。
便秘があり、おなかが張ることが多い方は、タンパク質(特に動物性)のとりすぎはさけ、野菜や海草はもちろん、しっかり炭水化物もとってください。
ダイエットもまずは健康が最優先!
便秘症の方は、生活リズムをととのえ、日々なるべく歩くように心がけた上で、あまりかたよらずにバランスのいい食生活にしてください。
便秘症が改善されたら、高たんぱく食、低糖質の食事法にチャレンジするのもいいでしょう。
いずれにしても、余計な脂肪をふくめ、身体に長期間、ためこんでいいものはなにもありません。
健康的に痩せる身体は、流れ循環し、とどこおりがない身体です。
食べすぎたとしても、すぐにエネルギーにかわります。
流れている身体は、病気の心配もほとんどありません。
流れの悪いところに病気や痛みなどの症状がおこります。
逆にいえば、脂肪がついたり、むくみ、痛みやこりなどがある場所は、流れてない!という身体からのメッセージ。
循環がよくない身体にたくさんの食べものをつめこむのは、満員電車にむりやり人を押し込む状態とそっくり。
少しでも早く電車から降りたい!って思いますね。
でも満員電車から降りるのは一苦労します。
がらがらの電車に乗る方が快適ですし、降りるのもすぐですよね。
私たちの身体も、これと一緒。
食べすぎをできるかぎりやめ(これはまた別のテクニックが必要になりますが)、「空」ができた身体に、できるだけ質のいい食べものや水分を送り込む。
ストレッチやヨガなどを習慣化、できるだけ歩くようにして、身体の「詰まり」をつくらないようにして、エネルギーを滞らせないようにする。
そうすれば、もう、太る心配も病気の不安もなくなります。
健康もダイエットも、本質的には同じなのです。