ボディメイクサポートをしていると、時々「食欲がとまりません」という相談をいただくことがあります。

人間にはいろいろな欲求がありますが、中でも食欲はダントツで強力。

とても、意思でコントロールできるものではありません。

短期的にはコントロールできたとしても、あとになって暴走することが多い。

それが、食欲というものです。

僕自身、2年もの厳格な食事制限の後の「食欲暴走」を経験しています。

極端な話ですが、食欲が暴走すると、まるで何かにとりつかれたような感覚になります。

でも当時は身体のシステムについて知らなかったからで、その後そういうことは一切ありません。

なぜ食欲が止まらなくなるのか?

では、どんなときに食欲が止まらなくなってしまうのでしょうか?

いくつか原因がありますが、今回はそのうちの2つについてお話します。

1)ダイエット思考

食べる量やカロリーを減らして痩せよう、という意識がどこかにあると、つねにストレスになります。

ストレスは食欲を増進させます。

今まで長年ダイエットしていた人ほど「ダイエット脳」になっているためなかなかダイエット思考から抜け出せません。

食べる量やカロリーを減らして痩せたとしても、またどこかで食べ過ぎればすぐにもとにもどります。

こんな当たり前のことも、ダイエット脳になるとわからなくなってしまうのです。

エネルギーが高いタイプの人は、もともと消化器系が強く食欲が旺盛です。

そんなタイプの人が無理に食べる量を減らそうとするのは、ストレスにしかなりません。

食べる量を減らそうと思ってるのにできない。ついつい食べ過ぎてしまう。

そして、決めたことが守れない自分を責める。

さらに「もういいや!食べちゃえ」となって、さらに悪循環に。

このストレスがかえって食欲を止まらなくさせているのです。

2)糖質が多い

食欲が止まらなくなる人のほとんどは、もともと糖質、炭水化物が大好きなタイプです。

このタイプの人は血糖値の変動が激しいので、ガマンできないレベルの空腹感を感じやすい。

血糖値からくる食欲は、ぜったいにコントロールできません。

こうなるともう、食べるしか対処法がないのです。

1)と2)のどちらか、または両方が原因となって食欲がとまらなくなっていることはよくあります。

止まらない食欲を落ち着かせる方法

では、このやっかいな食欲を落ち着かせる、いちばん効果的な方法をお伝えしましょう。

それは・・・

「脳(潜在脳)を安心させる」

という方法です。

具体的にはいろいろやりかたがあるのですが、今回は1つ教えます。

▶その時その時に自分が「食べたい!」と思ったものを食べるようにする

です。

ダイエット脳の人は、

「これを食べたら太るのでは・・」

と、気にしながら罪悪感をもって食べてることが多い。

このストレスこそが、さらなる強い食欲を生み出します。

そこで、食べたいと思うものをなるべく優先的に食べて、自分の脳(食欲)を満たしてあげるのです。

ただ1つ、重要なポイントがあります。

できるかぎり身体にいいもので「食べたいもの」を選ぶようにする

ということ。

たとえば・・・

ハンバーガーを食べたい!と思ったとします。

同じハンバーガーでも、値段の安いものとそれなりの値段がするものでは、そもそもの素材が違います。

価格差=品質の差

と考えてほぼ間違いありません。

ちなみに僕は、●●クには絶対に入りませんが、モ●は時々活用します。

セットにすると余裕で1000円こえてしまうので、普通に食事できるくらいの値段になりますが、

食べた後の身体の感覚が悪くないので、質の良さを体感します。

これは、他の食べものでもまったく同じ。

ケーキなら、コンビニなどで買うのか?それともそれなりの値段がするけれど良い素材を使った良いものを選ぶのか?

といったことで、身体への影響がまったく変わります。

食べものは自分自身の身体、細胞をつくり、さらには思考にも大きく影響するため、本来はいちばん投資すべきものです。

それを「安いから」と値段で選んでしまうと、後で医療費が高くつく可能性が高くなります。

健康を害すると、医療費だけでなく、人生でいちばん大事な「時間」の損失にもつながります。

渡辺徹さんのこと

先日、渡辺徹さんが亡くなられたと報道がありました。

食欲をコントロールするのにかなり苦労されたらしく、糖尿病が悪化して人工透析になっていたようですね。

食欲というのは扱い方がほんとうに難しく、無理に制限したりダイエットしようとすると、かえって暴走します。

制限すればするほど、ますます制御不能になるのが食欲という本能なのです。

ですから、食欲のことを熟知している人の指導を受けないと、大変なことになります。

極端になると、生きること、生命を維持するよりも食欲の方が強くなってしまうのです。

食べることをガマンするなら生きていたくない、なんていう状態にもなりかねません。

でも、食欲は正しく付き合えば、嘘のようにおとなしくなってくれます。

僕も昔は、暴走する食欲に振り回されたことがありましたが、今はおなかいっぱい食べることが苦痛なほどです。

おなかが軽いほど心身ともに快適なのを、潜在意識レベルでわかっているからです。

くれぐれも、間違ったダイエットや間違った食欲との付き合い方をしないようお願いしたいと思います。