サロンのポストに治療院さんのチラシがけっこう入ってくるのですが、それを見ると「根本治療」「根本から改善します」ということばが目立つようになりました。
「単に痛みなどの症状をとるだけでなく、もっと深い原因から治しますよ」ということだと思います。
そしてその「深い原因」が、たとえば、からだのゆがみであったり、その人の姿勢のクセや食生活、ライフスタイルだったりすると思います。
こういった「根本(と考えられること)」にアプローチすることはぜったい必要だし、とても大事なこと。
でも僕は、「根本治療」という考え方には、もっと大事なこと、本質的なことが抜けているように感じています。
多くの治療院さんでは、まず患者さまの痛みといったつらい症状に着目します。
これは、当然のことです。
それを緩和しながら、その症状の原因となっていることにアプローチしていきます。
原因が解消されると、そのときのつらい症状も楽になっていきます。
やがて、症状は消えていきます。
すると・・・
ほぼそこで「治療終了!」となります。
問題は、ここ。
これで、ほんとうに「根本から」改善されたのでしょうか?
僕のサロンでは、長年通ってくださっている方がとても多いのですが、
ずっとみさせていただいていると、
むちゃくちゃ元気になったのに、何らかの理由で、急に不調になったりすることもあります。
これは生きてるかぎり当然で、
知らないうちに疲れやストレスがたまっていたり、運動不足や食べ過ぎだったり、
ホルモンの変化があったり・・・
特に大きな原因がなくても不調になることはどうしてもあります(僕でもあります)。
で、そのたびに対処法を身につけていく。
それも、できるだけクスリ以外で(薬を使う方がいいときももちろんあります!)。
そうすることで、次からはある程度予防できるようになります。
さらに・・・
もっと積極的に健康レベルを上げるために、
もしくは、美のレベルを上げるために、
ストレッチ、ウォーキング、ボディメイクといった方法があります。
さらに・・・
健康に大きな影響があるメンタル的要素、
みえない「エネルギー」的要素なども重要になります。
つまり、
ほんとうに根本から身体を変えようと思ったら、
それなりの期間の取り組みが必要になるのです。
心身の不調(肥満も含め)は、たいていの場合、長期的な、小さな原因が
積み重なった結果、現れているからです。
僕自身を考えてみると、
幼少のころから身体が弱く、ぜんそくやアトピーなどもひどく、
大学生になってようやく最高に元気になった!と思ったら
それで浮かれて調子にのり、そうとう無理してしまい、体調をくずし・・・
回復までに10年かかりました。
そして、その後もずっと、セルフメンテナンスと自己改革の旅は続いています。
どこかにメンテナンスに通う、通わないはともかく、
ほんとうに根本から身体をベストな状態にしよう、と思ったら、
セルフメンテナンスと自己改革のプロセスは、一生必要です。
身体というのは、いろいろなことからつねに影響を受けるし、
そもそも人生そのものが、何らかの課題、テーマをクリアしていくようになっているからです。
伝わりにくいかもしれませんが・・・
根本とは、そういうことなのです。
どこかで治療、施術を受けて根本が解消される、ということは、ありえません。